勝俣部長の「ため息」1060・・・・貴重品の 極み

11月5日 火曜日

                                              
                                                      (横浜市街)



     手遅れになって 健康を知る
30年もの バランタイン の 思い出


 ウイスキーを好む人ならご存知の、スコッチウイスキーバランタイン」。
 ウイスキーは、原酒を何年経過させるかで「17年もの」とか、「30年もの」とかになる。
  (ただ製品全部がその年数の原酒使用では無く一部使われるだけ/後はブレンダーの腕の見せ所)
 かって、ニッカウイスキー余市工場に(北海道)、仕事で出入りしてたころ、原酒倉庫を見学させて貰った事がある。
 樽が一杯保管されている倉庫に入るや否や、プーンとウイスキーの香りが漂う。
 それだけで酔いそう。
 説明によると、満杯に詰めた原酒樽でも、10年ほど経つとかなり目減りしてしまうそうだ。
 その目減分が、空気と混ざり、それを今吸ってるのかと思うと、余計に旨さを感ずる。
 目減りするから、20年とか経つと、仕舞いには、樽はになるという。
 だから、10年とか15年経過した時点で、目減りした樽へ、目減りした別の樽の原酒を入れ、再び満杯の樽にする。
 と、言う事は、例えば、当初「100」仕込んだ原酒は、ある時点で70となり、さらには40になってしまう。
 この計算から考えても、30年もののウイスキーは・・・・生まれた赤ちゃんが30才になる年月、・・・・仕込んだ原酒全量の、ほんの僅かが残るだけで、・・・・それを考えただけで凄い。
 バランタイン30年、・・・・勝俣部長入社の1960年代、・・・・サントリーの「角ビン」でさえ夢のまた夢であった時代、・・・・その「バランタイン30年」を、飲む機会に恵まれたのである。
 当時のある得意先の部長さんに、川越の、半端で無い豪農の方がおられた。
 その方の家にお邪魔したとき、日本酒で飲むほどに、ウイスキーの話となった。
  「ほうか バランタイン30年は そんなに貴重品で 凄い ウイスキーなのか」
  「よっし それじゃ それを 飲ませようじゃあ ないか」
と相成った。
 やった、やったのだ。
 保管場所から「バランタイン30年」を引っ提げて来た部長、テーブルに置くや、引き出しから何やら取り出した。
 万年筆に、インクを注入するスポイトである。
  「サー 舌を出せ」
 出した舌にバランタイン30年が、スポイトで1滴
 超・豪農御曹司さん・・・・スポイトで1滴とは、・・・・彼方様が、バランタイン30年の凄さを、一番ご存知で、・・・・今思うと、トンデモナク「懐かしい」思い出である。
 つづく。


 水なら 十分に 飲めますが