勝俣部長の「ため息」1230・・・・非・人間化作用

8月12日 火曜日

                                                  
                                                           (横 浜)



好き勝手に 言いたい放題
(足音) の 表情


 勝俣部長、・・・・30年近くも前の頃、社内牢獄に繋がれた事がある。
 牢獄とは穏やかで無いが、・・・・会社が売上低迷しかけ、何か違う事業を目指して見ようと、・・・・新規事業プロジェクトを立ち上げた。
 そのリーダーに抜擢(他の人はそう言ってた)された私は、・・・・第一線の仕事からハズされ、為す事が何も見えない部屋(牢獄)に、3名の部下と共に閉じ込められた。
 しばらく悶々とする内に、隣接する部屋の連中(第一線の営業マン)の、足音(靴音)を識別する事が出来て来たのだ。
  ・ハハ あの歩き方は 誰誰
  ・ウ〜ン あれは アイツだな
など、・・・・勿論長い期間の顔見知りもあって、ほぼ全員の(10数名)、「足音と本人」を、ピタリと識別出来るまでになった。
 仮に失明したら、・・・・残る「4感覚(聴覚・触覚・味覚・嗅覚)」を鋭く駆使し、識別するのだろうな、・・・・などと、プロジェクトの仕事はそっちのけに、プロジェクト外事業を楽しんだのである。
 勝俣部長、・・・・幸いにも今もって、「5感覚(上記にプラス視覚)」全部が、多少の劣化はあるものの健在である。
 が現在社会、・・・・飛びこんで来る物物(情報物体)は、余りにもウルサク、お節介な事ばかり。
  ・やれ 熱中症に注意しろ だの
  ・大雨が降るから 早めに帰れ だの
  ・30kmの大渋滞が予想去れる だの
  ・20m先を左折です だの
  ・この先 右折専用レーンがあります ご注意下さい だの
 全てが一方的な押し売り情報で、・・・・受け手側が推測する事など、100%近くも無し(非・人間化作用)。
 今思うと、100%以上の聴覚(聞く感覚)を駆使し、見事に聞きわけた、・・・・あの牢獄に繋がれた日々が懐かしい。
 人間って、・・・・甘過ぎる環境にいると、劣化する一方かも知れない、・・・・よ。
 つづく。


 今日も 水 ですよ