9月30日 金曜日
(「単なる水」こそ、永遠なるサプリ)
ロイヤリティーの高さ か 究極の味覚 か
勝俣部長は、昭和58年(1983)から、今現在の360戸の集合住宅に住んでいる。
築40年過だから、建物も人も老朽化が激しい。
自然の摂理として、老人クラブが活発となる。
クラブの現会長さんは、ビールの某大手メーカーに勤務していた人である。
私と同様、何年か前に「奥さん」に先立たれてしまった。
そんな事もあってか、妙にウマが合い、よくお酒を飲みに行く。
彼はビール、私は日本酒と、一線をキチンと画しているから、・・・・これもいい。
ただ困るのは、時折、彼が居た会社のビールが、店に無いときである。
私なんかはいい加減で、何でもいいから、あるものを飲む。
何でも飲む。
ところが彼は、悩むのである。
激しく悩む、のである。
会社を辞して何十年、・・・・未だ会社に対する、ロイヤリティー高きの精神か、はたまた、会社で培われた究極の味覚が為す業か、・・・・。
「こっちは 何でもいいからさ 早く飲みてえんだ」
「早く 決めて下さいな」、・・・・と、勝俣君イライラ気味。
「ううううん、・・・・よし決めた 今夜は 私も酒で行く」
こうして、飲み慣れ無い日本酒に挑戦する彼の姿は、・・・・翌朝必至の「二日酔い」も忘れて、血気盛んな「青年」になる。
ロイヤリティーが為す業か、究極の味覚が為す業か、・・・・何れにしても、拘(コダワ)りの精神は、若さを保つ。
ただ出来るモノなら、・・・・こっちがイラ付く前に、適当なところで、「鉾(ホコ)」を収めて貰いたいのであるが、・・・・。
つづく。