11月6日 日曜日
(「単なる水」こそ、永遠なるサプリ)
銀座の季節感
勝俣部長は、25年間のサラリーマン生活の後、平成元年から10年まで、銀座8丁目で、パブバーを開業した。
45才の時からである。
世界の名機と、一世を風靡した「ニコンF」のころから、写真を撮るのが好きであった。
勿論、今と違い、フィルムカメラだ。
「よっし 銀座の四季を 撮ろう」
と、テーマを決めたのが、・・・・開店2〜3年後の冬だったと、記憶している。
程無く、東京には珍しく大雪が降った。
冬の格好な舞台が、突然、それこそ、降って沸いたのである。
人も車も無い早朝、通称「銀座通り」の8丁目側から、京橋方面を臨む。
丁目毎に立つ、銀座通りの両側の信号機が、青・黄・赤色を繰り返しながら、降りしきる雪に、手前から次第に霞んで行く。
結構、気に入った写真が撮れた。
年賀状にも使った。
こうして四季の中の「冬」は、巧く行ったのである。
ところが、春になっても、夏になっても、そして秋が巡って来ても、・・・・銀座には季節感は無い。
新芽も無ければ、落ち葉も無い。
まあ、当たり前と言ってしまえば、そうではあるが、・・・・銀座の季節は、人と共に巡るのだった。
特に女性のファッションに、四季は移ろう。
行き交う女性、・・・・ウインドに並ぶファッション、・・・・銀座の季節は、確かに醸し出される。
照りつける真夏の太陽が、デパートのウインドに反射する場面もみつけた。
出来上がった写真を見て、それが「夏」を演出する、・・・・かと言うと、・・・・別に、春の陽光であっても、何も不自然では無い。
かく銀座は、「人の街」である。
人が、季節を演出する街なのだ。
高尾山に登り出して7年目。
当時の銀座の街が、懐かしく思い出される。
つづく。