勝俣部長の「ため息」1149・・・・駅構内 一瞬の風景

2月16日 日曜日

                                              
                                                    (越後湯沢「雪風景」)



好き勝手に 言いたい放題
あれは 無い だろう


 一昨日、夜8時過ぎの事である。
 大雪で床がツルツルと、・・・・足を取られ易い、武蔵浦和駅で人と待ち合わせた。
 少し前に着き待っていた。
 行き交う人達が、当然目に飛び込んで来る。
  「アレ あの人 片側の手袋落としたよ」
 びしょびしの床にぬれちゃうし、踏まれなければいいが・・・・と思ったが、遠く過ぎる。
 すると、若いサラリーマン女性が、その手袋拾い上げ追い掛けた。
 落としと方は若い男性とあって、歩き方が早い。
 懸命に追いかけ、追い着く。
   「あの 手袋 落としませんか コノ 手袋です」
 全く聞こえないが、そんな風な声を掛けている。
 するとその男性、
  ・ウン とも スン とも言わず
  ・頷きもせず
  ・ニコリともせず
 まるで盗品を取り戻すかのような態度で、ひったくり、何事も無かったように歩き出してしまった。
   「あの バカ野郎 が」
   「お前 その態度は 無(ネ)え だろう」
 思わず声が出かかったが、・・・・よしんば発したとしても、駅構内の雑多な音に埋もれる。
 あのバカ者、どんな育ち方をしたのか、・・・・バカ目が。
 苦々しい気分で思い巡らせていると、首をやや傾げ、手を振りながら、待ち人が現れた、・・・・。
 雪の日の、・・・・雪の一コマ。
 つづく。


 雪の日 水は ことの外 大切です